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The Brief Encounter 「Brief Encounter」


「究極の、破格のメガ・レア甘茶ソウル皿、禁断のリイシュー!」なんて言われたら、即決しちゃいますよね。なんとオリジナルは25万越えしちゃうそうです。

1970年代後半リリース当初は、ソウル全盛だったもののこういったスィート・ソウルはどちらかというとニッチな存在。80年代に入って、縮小しいったシーンに反して彼らは生き残ったようです。

The Stylisticsなんかはこのシーンの最高峰だったのかな?彼らもスゴく洗練されたサウンドだったけど、80年代以降はあまりヒットに恵まれてないぽいし。一瞬の輝きを放っては消えていった他のスィート・ソウル系アーティストとBrief Encounterは何が違ったのだろう?というのは当然の疑問。

答えは音聴きゃわかるってのが当然の解答。ボーカルバンドかと思いきや、彼らはインストバンドでもあるんです。それ故、演奏がとてもタイトで小気味よく、いい具合にファンクネスが利いてるワケです。そのファンクネスが、80年代生き残りのファクターになっただけでなく、40年たった現在でもレア・グルーヴとして人気を博すという副産物をもたらしたのだと感じるのです。


紹介作品リスト
The Brief Encounter 「Brief Encounter

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Raphael Chicorel 「I’m in Love with You」


ラファエル・チコレルの’72年のプロモ的な作品です。といっても、ボクはチコレルについては、ほとんど知りません。ただ、celesteの作品は見つけたらレーベル買いしてしまうことが多いので、この「I’m in Love with You」もその中の1枚です。

レーベル買いやジャケ買いした作品が予想以上に良かったときって、3割増しくらいで嬉しいものですよね?この作品はその最たる例です。グルー ヴィーなピアノから始まる「The Bird」、エルトン・ジョンGoodbye Yellow Brick Road」のスウィングカバー、そして愛息子Jockoとの愛くるしい親子デュエット・ワルツ「Walking With Jocko」と、作品全体にたくさんのハピネスが詰まっています。

この作品を聴くとホントに気分が晴々とし、そして優しい気持ちになれます。大切なひとへの贈り物にいかがでしょうか?きっとこの調べとともに、素晴らしい思い出を綴っていける。そう思わせてくれるハッピー・ジャズです。


紹介作品リスト
Raphael Chicorel 「I’m in Love with You

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Ella Fitzgerald & Louis Armstrong 「Ella & Louis」


なぜでしょう?サッチモの声って、耳にするだけでなんだか楽しくなっちゃいます。エラも声を弾ませてスゴク楽しそう。レコーディングのいい雰囲気が伝わってきます。”Tenderly”で エラサッチモの歌マネするところなんかも、なんとも微笑ましい。こちらの気分もよくなりますよね。

も し、ジャズ初心者でインストものですら馴染みのないひとに、ジャズを勧めるならこの作品かなと思っています。ボーカルがあることが当たり前のひとに、アドリブ全開でブイブイとラッパを吹き鳴らすジャズをいきなり聴かせても、「意味わかんない」といわれるのがオチです。それよりもこの作品を聴いて、「ジャズ=楽しい」と感じてもらうのがイチバンいいのではないかと。そこには確かに、ジャズの醍醐味であるスリルやインプロビゼーションはほとんどないかもしれ ません。でも、思わず好きと言わせてしまう魅力がギッシリ詰まっています。

エラサッチモがいいのは言うまでもありませんが、バックの演奏にも目を見張るものがあります。後ろからふたりを盛り上げるのはOscar Petersonオスカー・ピーターソン)、Herb Ellisハーブ・エリス)、Ray Brownレイ・ブラウン)のオスカー・ピーターソン・トリオBuddy Richバディ・リッチ)。オスカーのピアノはもちろん、ハーブ・エリスのギターのさりげなさがスゴクいいです。

この作品のイチバンの聴きどころは、名曲”Cheek to Cheek” だと思っています。リズム抜きでサッチモが1コーラス歌って、ひとしきり暖まったところで、リズムと共にエラが登場。そのままエラが歌でバンドをグイグイ 引っ張っていきます。盛り上がってきたところで、サッチモ再登場。ボーカルふたりにつられるように、オスカーバディ・リッチも熱を帯びてきて、最後は全員で素晴らしいハッピー・アンサンブルを奏でます。あぁ、この素晴らしきオンガク!


紹介作品リスト
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong 「Ella & Louis(エラ&ルイ)

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The Heliocentrics 「Out There」


かつて、Mo Waxに所属していたファンクドラマー、Malcolm Catto(マルコム・カット)率いるディープ・ファンクバンドのデビュー作です。Peanut Butter Wolfのレーベル、Stones Throw傘下のファンクレーベルであるNow Againからのリリースです。Stones ThrowおよびNow Againは好きなレーベルだったので、Malcolm Cattoについては”DJ Shadow(DJ シャドウ)の作品に参加していたドラマー”のほかに予備知識がないまま購入するに至りました。

さて、そのサウンドですが、フリージャズにヒップホップ、サイケデリックでアヴァンギャルドな漆黒のコズミック・ファンクネス!!!とでも言いましょうか (笑)?かなり強烈にオンガク魂をもってかれてしまいました。しかも、中毒性が強いので、一度そのブラックホールにハマれば、そうそう抜け出せるものでは ございません!一瞬で2007年度のマイベストにのし上がりました。

2008年以降にリリースされた、Flying Lotus 「Los AngelesRas G 「Ghetto Sci-Fi、またはKarl Hector Sahara Swingなどの作品を聴くと、このようなサウンドは、L.A.アンダーグラウンド界隈のひとつの潮流となっているようですね。ボクは現在進行形で刺激的なこのシーンを、ワクワクしながら楽しませていただいております。

ちなみに、このコズミックサウンドや、Heliocentricsというバンド名、“Sirius B”、“The Zero Hour”、“Falling to Earth”というタイトルから、瞬時に連想させられたのは、言わずもがなSun Raの存在でした。93年に宇宙に逝ってしまったサン・ラさんですが、彼がこの惑星に残した一片のワールドは、今もなお進化し続けています。

Heliocentricsは、2009年初頭には、K7!の傘下レーベルStrutの”Inspiration Information”シリーズ第3弾でリリースしましたね(Inspiration Information, Vol. 3)。しかも、Malcolm Cattoが選んだコラボパートナーは、エチオピアン・ジャズ・レジェンド、Mulatu Astatke(ムラトゥ・アスタトゥケ)でした。この作品も素晴らしく良かったのですが、レビューはMulatuについてもっとよく知ってからにさせていただきます。

とりあえず、 「Out There」を大音量でキメて、コズミックトリップ逝っちゃってください!


紹介作品リスト
The Heliocentrics 「Out There
Flying Lotus 「Los Angeles
Ras G & The African Space Program 「Ghetto Sci-Fi
Karl Hector & The Malcouns 「Sahara Swing
Mulatu Astatke & the Heliocentrics 「Inspiration Information, Vol. 3

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Bill Evans 「Affinity」


エバンスといえば、「Walz For Debby」や「Portrait In Jazz」など、主に’50年代後半から’60年代のトリオあるいはソロ作品が採り上げられることが多いと思います。もちろん、これらの作品は名盤中の名盤であり、疑いの余地のないくらいクオリティの高い作品であることは言うまでもありません。ただ、せっかく全盛期のエバンスに感銘を受けたなら、ぜひ’70年代の円熟期に入ったエバンスも聴いていただきたい!

というわけで、ご登場いただいたのが’78年作「Affinity 」。ハーモニカ奏者のトゥーツ・シールマンスToots Thielemans)とのコラボです。ハーモニカなんて小学校以来ほとんど耳にすることがなかったので、イマイチ音のイメージを想像できずに、スルーしてました。ところが、いざ本作を聴いてみると、不思議と合うんですね~ジャズとハーモニカ。特に、違和感なくすんなり聴けました。

てゆーか、コレはジャズとハーモニカというより、エバンストゥーツの相性が最高に合ってるというべきでしょうか。トゥーツの柔和なハーモニカが、エバンスのロマンティシズムをさらに駆り立て、作品全体を通して、美しい素晴らしい二人の”ハーモニー=語らい”が繰り広げられます。”Affinity(=親縁・親和)”というタイトルに納得。

もちろん、優しいだけでなく、エバンスのあのリリカルなピアノも聴くことができます。特に、名曲”酒とバラの日々”での疾走感のある演奏は圧巻です。トリオ、クァルテット、クィンテットと、さまざまな形でふたりの共演を楽しませてくれるあたり、女性プロデューサー、ヘレン・キーンHeren Kean)の手腕も光ります。このひと、セレストcelesteからリリースされたALIVE!の「Call It Jazz」なんかも手がけてたりして、信頼のおける敏腕プロデューサーだと思います。

ちなみに、8曲目はなぜか”Blue & Green”と記載されていますが、コレは「Kind Of Blue」でおなじみ”Blue In Green”です。この曲は、マイルス・デイビスエバンスの共作として知られていますが、実は互いに自分の作曲だと主張してモメていた、曰くつきの曲だそうです。一応、「Kind Of Blue」などのマイルスの作品では作者はマイルスのみ、エバンスの作品では共作という表記にすることで落ち着いたようですが・・・どうやら、マイルスが提案したコード進行をもとに、エバンスが曲として完成させたというのが事実のようです。この”Blue & Green”という表記には、そういったいざこざも関係しているのか?などと勘ぐったりしましたが、ただの表記ミスですかね?


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Fela Kuti 「Underground System」


アフロビートの生みの親、”黒い大統領” Fela Kutiの’92年の遺作です。5年後の’97年にHIVによる合併症で逝くことになります。

Fela Kutiもまた、膨大な数のリリースを誇りますが、主に’70年代が全盛期といわれているようです。確かに、’60年代のクーラ・ロビトス時代はアフロビートというより、いわゆるハイライフ・ミュージックよりでしたし、「ZOMBIE」、「KALAKUTA SHOW」等の名盤は’70年代の作品です。

その爆発的(ゆえに刹那的)なまでに高いモチベーションとテンションで、全盛期を疾走した人物が、老年期に明らかにパワーダウンして、なんだかあまり見たくなかったな思わされることってよくありますよね。たぶん、そういった恐れから’80年代以降のフェラには、手を出さなかったのですが、ある日とうとう、この「UNDERGROUND SYSTEM」を聴く機会が訪れました。

フェラの全盛期は’70年代」。イヤイヤイヤイヤ、この「UNDERGROUND SYSTEM」。遺作とは思えないほどのハイテンション!あの怒涛のアフロビートは、衰えるどころか、むしろより強烈な印象を受けました。’70年代をひと通り聴いたら、ぜひこの「UNDERGROUND SYSTEM」をお聴きください。以前と変わらずに、叫び、怒り、歌い、踊るフェラの姿に安心と興奮を覚え、うれしくて自分もついつい踊りだしたくなります!

また、ボーナストラックの「Confusion Break Bones (CBB)」が、ゆったりとした6/8のリズムで、ハイスピードで疾走する前2曲との対比が妙です。壮大なホーン隊とオルガンが絡むハーモニーが、”これがフェラの遺作である”という事実と重なり合い、ちょっと泣けました・・・ナイスボーナストラック!



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Sun Ra 「On Jupiter」


記念すべき第1稿にふさわしい作品は、コレしかないと思いました。

Sun Raさんの「On Jupiter」です。

難解な音楽性もさることながら、その膨大なリリース数が、Sun Raに手を出しづらい要因のひとつになっていると思います。大勢のアーケストラの収入を賄うため、公演の先々で、録りためた音源を、自分たちで手売りしていたものが再発されたりするうちに、リリース数が増えていってしまったようです。

それゆえ、中には音質の悪い”ハズレ”に当たってしまうこともあるかもしれません。ただ、この「On Jupiter」含め、Art Yardリリース諸作に関して、そのクオリティはどれも一概に高いといえると思います。

さて、「On Jupiter」。全曲ビッグバンド・スタイルで、サン・ラ・コズミック・ワールドへいざなってくれます。中でも、Sun Raからダンスフロアへの贈り物”UFO”はカッコよすぎるスーパーファンキーディスコチューン!!Sun Raの宇宙感と、チャレンジ精神をぜひご堪能ください!

また、Sun Ra入門編としては、Sun Ra史上もっとも美しいメロディーを紡ぎだす(当ブログ比)、Art Yardリリースの「Sleeping Beauty」もおススメすます。2曲目”Door of the Cosmos”はKindred Spiritsのサンラのカバーコンピ(Sun Ra Dedication: The Myth Lives On)において、Calros NinoBuild An Arkでカバーしてます。

Atavisticリリース「Some Blues But Not The Kind Thats Blue」は”My Favourite Things”、”I’ll Get By”、”Nature Boy ”等曲目に惹かれますね。ジャズ・スタンダードをSun Raらしからぬスタンダードな演奏で聴かせてくれます(もちろん、所々で宇宙へ連れて行ってくれます(笑))。でも、ただのセッション音源で音質、特に低音に難があるので、手放しにおススメすることはできませんが・・・


紹介作品リスト
Sun Ra 「On Jupiter
Sun Ra 「Sleeping Beauty
Sun Ra 「Some Blues But Not The Kind Thats Blue
V.A. 「Sun Ra Dedication: The Myth Lives On